衛武営はかつて高い壁に囲まれた、外界から隔絶された場所であり、高雄市の中心にありながら、人々にとって謎の多い立入禁止区域でした。かつて、ここは「鳳弾汛」と呼ばれる軍事上の要地であり、鳳山の二つの城下町の平和を守る存在でした。その後、時代は移り変わりましたが、この土地の特別な位置づけは変わることなく、戦後は新兵の訓練所となり、多くの若者がここで汗を流し、逞しく成長していきました。その後、長年にわたる軍事的な役目を終えた衛武営は「南方緑色革命運動」と呼ばれる環境保護のムーブメントを経て、軍事的な歴史の記憶を留めつつ、都市の空気を浄化する緑の「肺」へと変貌を遂げました。そして現在も引き続き、この土地を行き交う人々を見守り続けています。
人々の団結が壁を取り払い、新たな「高雄」が誕生した
高雄には、外省人、閔南人、客家人、原住民、そして結婚を機に台湾へ移り住んだ新住民など、多くのエスニックグループに属する人々が共存しています。今、彼らは互いを隔てる壁を取り払い、共に手を取り合って、豊かな未来に向けて歩き続けています。2010年に旧高雄県と旧高雄市が合併して一つの高雄市となり、行政上の壁が取り払われると、旧高雄市と旧鳳山市の境目に位置していた衛武営は、高雄市の中心に位置する「セントラルパーク」としての役割を担い始めました。また近年、台湾有数の規模を誇る「衛武営芸術センター」がオープンし、高雄の芸術文化をさらに高い水準へと押し上げる存在となっています。
軍事基地から生まれた、都会のオアシス。一つになった高雄市は、さらなる未来へ
衛武営は、人々の団結を象徴する場所です。人々の団結が過去の境界線を取り払い、軍事基地が都市のオアシスへと姿を変えました。ここは今、自然生態や芸術文化公演、観光やレジャーが楽しめる、台湾有数の芸術文化センターとなっています。
2022年、高雄市の「セントラルパーク」が、さらに美しく生まれ変わります。今冬のランタンフェスティバルのメイン会場の一つとして、東洋文化と森林芸術が融合する姿に、かつての軍事的な面影はもうありません。アート作品の数々が、会場の景観に自然に溶け込み、見る者の視点によりさまざまな姿を見せてくれます。まるで、壁と境界線を取り払って自由な視野を獲得した、新たな高雄市を象徴するかのようです。光と影で美しく彩られる、かつての秘境。あなたも光の間を散策しながら、一つになった高雄市の、新たな未来を想像してみませんか?